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2005.03.18

映画「ローレライ」という神話。

いやまあ、この映画は一言で言うなら「それ、無理だから。」なんだけど。
だってのっけから潜水艦が艦砲射撃するわけで。戦記物読んでも戦闘シーンの細部は頭に入らないワタクシだとて「え?」と思うわけで。ヘンですよ、絵的にも。
しかし頭のなか「?」だったのは序盤だけで、浅倉大佐が出てきて舞台が潜水艦に移るだに、ハナシにぐいっとひきこまれます。強力な艦砲を搭載したドイツ製の潜水艦伊507、そして探知能力で魔女とまで呼ばれたローレライシステムだって一言で言えば「それ、無理だから。」なんだけど。けして無敵でなく、また攻撃兵器ではないあたり、よく作られていて。
いやはや、日本映画伝統の戦争物の器にガンダムのハナシを盛りつけました、という制作側の談話?を後で友人から聞いて、なるほどなと思いました。
見てる間は「これ『青6』の新エピソードって言われたら信じちゃうね」とか考えてましたが。
たしかにアニメのネタと見るならば、無理は無理でも通らない無理じゃない。
ストーリー展開も危うさを孕んだ無理な感じがアニメっぽいんだが、いやこれ誉めてるつもりなんですよ。アニメ育ちの世代としては、昔の戦争映画はとても遠いものに感じられるわけで。ワタクシが見て育ったアニメ作ってる世代の人たちには、そうではなかっただろうと思うんだけど。
私たちの世代には、時代としても、体験としても、とても遠いものなんだな。それでも歴史を勉強したり、手記を読んだりで、何があったのかはだんだんわかってくるのだな。
それを見てもなお、あの時代のひとたちが、私たちに何かを残してくれたのだと。いや、あの時代のひとたちも、共有できる何かを信じようとしていたのだと思いたいのだ。こうして、ここに生きているからには。
アニメ世代に分かる展開と、圧倒的な潜水艦戦闘の映像、そして役者の演技で、目に見えるように見せてもらった気がする。いや、泣きはしなかったのだけれどね。
虚構の物語が結末に至れば、なにもなしでは容易に信じがたい嘘に、読み手は共感できるようになる、これをワタクシはファンタジーのチカラと呼んでおるわけですが。いや、物語のチカラというか、神話というか。
映画「ローレライ」もまた、一幅の神話として、残る作品であると思う。
いや戦闘シーンはずぇったいダメ、というんでなければ、役者の芝居だけでも、レイトショーならお釣りが来ると思う。大スクリーンで見ておくべし。

ローレライ  2005年 日本 東宝邦画系で公開中。
公式サイト
監督:樋口真嗣
原作:福井晴敏「終戦のローレライ」
出演:役所広司 妻夫木聡 柳葉敏郎 香椎由宇 石黒賢

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