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2004.08.27

高野史緒[ラー]読了

人は皆、なすことなすべきことに意味を求める生きものである。なさざるをえなかったこと、結果として直面せざるをえない苦境にもまた。神話の形成もそのような営為であるのだが。その核心を求める話であった

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2004.08.26

キング・アーサーやっと観た。

水曜日、気になっていた「キング・アーサー」を観てきた。
ローマ軍のブリテン島からの撤退、それに伴う要人家族の救出、兵役義務からの解放と命を賭けなくてはならなくなった辣腕の外国人騎兵隊、と、起こる事件を追い掛ければ、展開はまるで「スパイ大作戦」(ミッション・インポッシブルの古いヤツ)である。
ローマの撤退にサクソン人はもちろんつけこんでくるし、「壁」の北側の荘園から戻ってきてもピンチは続く。めいっぱい引っ張ったところでドンデンとひっくり返しがあり、戦友の情にほろりと来る盛り上がりもありで、「グラディエイター」ばりの古代肉弾戦戦争アクション映画としてなかなか楽しめる。脚本は同じ人ですね。
しかしいわゆるアーサー王伝説は中世騎士物語であるからして、こんなのは違うと思い続けたままエンドロールを迎えた人も多いだろう。
伝説の源流をさかのぼれるだけ遡った時点の、起こったかもしれない事件。それを理想化抜きで描き出すのがこの映画のコンセプトである。いやまあ、ローズマリ・サトクリフ『ともしびをかかげて』を読んでたりすれば、甲冑のローマ風なのと、現地の人がピクト族なあたりで、ああこれかと思えるわけで。
ただまあ、騎士物語と全然違うというものでもないなあ、とワタクシは思うのである。
この映画の主人公、アルトゥリウスはとにかくよく喋る。ありうべきローマ、ありうべきキリスト教、戦友をかけがえなく思うがゆえの祈りまで言葉に出してしまう。祈りを当の戦友に聞かれちゃうのだ。ああ恥ずかしい。
いやアメリカ映画にはありがちだし、この説明のおかげでストーリーのもうひとつの柱であるところの、主人公の苦悩と、ふっきれるまでの経過が観念的にしろよくわかるのだ。

キリスト教徒としての自分の理想をも、主人公はことあるごとに口にする。
自由と、平等だ。
聖職者の手紙からブリテン列王史、12世紀南フランスのトルバドゥールが唄った騎士の物語、体系化と「騎士道」的理想化の果ての「アーサー王の死」と、思えば人々はアーサー王の戦いに自分の時代の理想を反映させてきたのだ。
理不尽な支配からの騎兵たちの自由、ペラギウス異端の内的な倫理にもとづく自由と平等の形を借りて、現代の理想が、この映画にも託されているように思われる。
もちろん主人公の考える理想は彼のどたまの中にしかない。かれがもはやローマにもありえないと分かって追いつめられ、自分は死んでも理想を実現したいと自棄っぱちで戦いに立ったことが、現地の人々の利害と一致したのは全くの偶然のはずである(笑)。マーリンの予言やら伏線はあるのだが、この希有な偶然を感動できるストーリーに仕立て上げたのは天晴れな力業というべきか。さすがである。
紀元3世紀から7世紀はブリテン島に関する文字史料のない時代で、いつ誰がどこで何をやっていたのか、具体的なことはさっぱりわからないのだという。遺跡や遺物のような文字でない資料から当時の人たちの暮らしぶりなんかは再現できるはずなので。そのへんの考証がこの映画のリアル感を支えているのでしょう。サルマート人説の支えなのか、騎兵隊の戦装束が大陸風にかっこよくしてあるのもまたよきかな。

ちなみにファンタジー読み神話伝説スキーのワタクシがグッときたのは。
戦で死んだ英雄たちの魂は、名馬になって戻ってくる。という台詞が導入部にあったのだ。
最後の最後、馬たちが走っていくラストシーンにつながっているのだが、その前にも、引き上げの長い列にもサクソンの進軍の太鼓が聞こえてくるシーンがあるのである。
騎手たちにとっては、予期していたものがとうとうやってきたか、という兆なのだが。
馬たちは戦の予感に騒ぎ、落ち着かなくなる。
いにしえの英雄たちが、騎手たちに、真に戦うべき時を教えているようにも見えるのだ。
いや、深読みのしすぎとは分かっちゃいるんだけどね。

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2004.08.25

8月中旬の新刊下見帖。

下見帖をようやく更新。溜めるとキビシイ。

掴めば即レジに行きそうなのは『ボディ・アンド・ソウル』 『琥珀枕』 『水木しげると行く妖怪極楽探検隊』とか。
しかし今回ぶんだと集英社文庫カッパ・ノベルスも結構危険なのだ(笑。
人文書だと……『涙と日本人』 『心霊写真は語る』 『パックス 新しいパートナーシップの形』あたり。
面白そうだと思うのは『島の名前』 『物語理論講義』 『宮沢賢治伝説 ガス室のなかの「希望」へ』 『詩学』とかあるのだが、このあたりは読むのに手こずりそうなのでもうちょっと考える……はず(汗。
『川と文化 欧米の歴史を旅する』 『ことば・詩・江戸の絵画 日本文化の一面を探る』とかは図書館だなあ。
いやしかしライトノベルで3冊、ボーイズラブでも4冊は止まらなくなりそうであることよ。
いつ読むのかというツッコミは無しの方向で(汗。

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2004.08.24

世界で一番極楽な場所。

ううむ、昔は迷わず、神保町だったかな。日本一、いや世界一の古本屋街です。
知らない本がいくらでもあり、とびつきたくなったり掘り返したくなったり。

ただ、まあ、体力と可能性の限界を考える年になると……鍼灸院のマッサージ台の上、かもしれない(笑。

とかなんとか書いてしまうのは新刊下見帖作業中にカウントに入ったら162冊あったからです。マウスを握ってる右手側のほうが首から肩からやっぱり張っている。
ライトノベルが19冊、ボーイズラブが26冊なのは、新刊全部入れてるからで。
ミステリ22冊なのは……全体の点数が多いからだろうなあ。うむ。そうかクリスティー文庫6冊全部は見ないなあ。

残りは97冊。さらにここから岩波文庫7月復刊の19冊はおいといて(結構持ってるのもあるので、書庫のチェック用なり)、78冊をチェックしきれるのか自分。
この雑多な本を全部見ようとすると渋谷のブックファーストか池袋ジュンク堂か新宿紀伊國屋本店くらいでないと無理かもしれないのだが、このあたりの書店だとリストアップした全部ジャンルを見ようと思う前に、どこかにハマってるのだ。帰り道、すごい疲れてるのに気が付くんだけど、見てるあいだは時間の経過も忘れている。

つまりまあ、大書店が極楽な場所、という自分的にはお約束なオチでした(笑。

下見帖アップは今深夜かな。

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