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2004.12.06

『願い星、叶い星』

願い星、叶い星アルフレッド・ベスター/中村 融編訳
奇想コレクション(四六判)/河出書房新社 2004年10月
1995円 ISBN:4309621856
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ベスターの本なんて……だめだ思い出せない、というくらい久しぶり。いや『分解された男』とか『虎よ、虎よ!』くらいは出てくるんですけどさ。どっちも新刊じゃ買えないのだ。ダメじゃん自分。
創元がまだSF文庫じゃなかったころの本は読んでたとしても亡くなった父の書棚にあったものなので、今わたしの手元にもないのである。ちなみに『分解された男』の新版は買えるようです。よかったよかった(汗。(20041023)

うぬ、ふだん読んでいる本はいかに読みやすく書かれていることか。
ラジオ・テレビ界で活躍、多才で知られる作家だが、本として日本語で読める作品は意外に少ない。まあつまり、めくるめく才能と頭の回転をシナリオやスクリプトに注ぎ込んでいたんだけど。創意工夫や独自性は盛り込むわけにいかず、そのストレスをSFに振り向けていた時期があるんだそうで。邦訳のある長編2本はその時代の産物であると解説には書かれている。短編もまた、その例に漏れないというところか。
というわけで日本独自に編纂されたベスト版を、置き去りにされかかりながらなんとか読了。「イヴのいないアダム」で何が起こったのか結局最後まで分からなかったのはひみつ(汗。

いや、ベストの名に恥じないラインナップで、すばらしいことに異論はない。
ただ、まあ、もう歴史の域とも言える背後の世界の理解なしには短編の解釈や評価は成立しがたいものだと、思ったことでした。(20041106)

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Tracked on 2004.12.10 at 02:04 PM

» 願い星、叶い星 / アルフレッド・ベスター [Not-Boiled]
虎よ虎よで知られるベスターの短編集。 虎と分解された男を読んだのは大昔、この作品群も半世紀ほど前のもの。だがそれと知らなければベスターをご存じない方は小道具に多少のアナクロさを感じても書かれてからの時の流れには気が付かないのではないだろうか? 虎よ虎よはもう20年以上再読していないが、残っているイメージは暴力と狂気のフラッシュ。この本にも派手ではないが、皮肉屋の暴力と狂気が見え隠れする。 内容はSFホラーから皮肉なファンタジーまでバラエティーに富んでいる。決して退屈はしないだろうし... [Read More]

Tracked on 2005.04.19 at 08:14 PM

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