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2004.12.03

映画の日、『笑の大学』

映画の日が水曜日だと微妙に損した気分になるわけですが、それはともかく。
レイトショーにぎりぎり間にあって『笑の大学』観てきました。

いや、笑いました。んで泣きました。
まさかあのネタで泣かされるとは思ってもみませんでした。

時は昭和十五年、時局きびしくなりまさり、浅草の軽演劇「笑いの大学」一座の座付き作家、椿一にもその波は押し寄せておりました。なにしろ台本(ホン)にいちいち検閲をうけて、許可のハンコを貰えなくちゃ上演できないってんだから、今からは想像もできないご時世です。

さてその役者はイケズな検閲官に役所広司、対する座付き作家は稲垣吾郎と、説明不要の取り合わせ。いや舞台で観たかった。おもいっきり拍手したかったね。
映画の感想なのに役者しかホメてないのはさては他がダメダメ、というセオリーはあてはまりません念のため。もとは舞台で、二人芝居にまで作り込んだ脚本ほとんどそのままだそうですから、とにもかくにも役者のデキにかかってる本作なわけで。

無理難題をおしつけて、喜劇はすべからく上演中止とせねばならぬはずの検閲官が、あの手この手と繰り出してくる作家の技前にのせられて、だんだん笑わせる芝居の脚本にのめり込んでいく。その過程を表現する演技の素晴らしいこと。いや役所広司がなんたってイイのは、熱演もさることながら、器用に見せない、あくまでも武骨不器用なままってとこだと思うわけで。
ラストの「死んでいいのは」のくだりを思い出すたび、目のあたりが熱くなります。いやもう、トシのせいか涙腺ゆるくなっちゃって(汗。

舞台中継を見た家人によると、台詞はほぼそのまま、ただキャスティングの差で、相当に違う芝居になっているんだそうで。
正直ワタクシも、作家役がもっと地味な役者さんだったらどうだったかな、とチラリと考えました。そう、あがりやすく人前ではソワソワと落ち着かず、つい目が泳いでしまうけれど、天性、そして地道に笑いを狙ってしまう、テレビで見る三谷幸喜氏自身のような性格が、見目のよさよりも目立つ役者だったら、と。
ただまあ、映画は映画で面白い。検閲官が剛直な殻の隙間から情深い性質をのぞかせるにつれて、なじんで心を許していく作家とのやりとりが、厳しく頑なな父と、心優しい息子のそれのように見えてくるのは、このキャストならではでしょう。
収束するかに見えたストーリーを押し戻す、してはならない告白のシーンが息子の甘えに見えるけれども。ここまでやればこの子ならと思ってしまう。いや好みとかトシのせいはあると思うんですがね(笑。そしてこのわかりやすさが、映画には必要なんじゃないかな、と。

うん、いい映画の日でした。

(2004.12.1. MOVIX)

『笑の大学』(2004 フジテレビ 東宝 パルコ)
公式サイト

監督:星護
原作・脚本:三谷幸喜
配給:東宝

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