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2004.11.26

『金毘羅』

金毘羅笙野頼子
(四六判)/集英社 2004年10月
2100円 ISBN:4087747204
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いや、まあ好きな作家の新刊というよりほかに動機はないのだ。
読みながら『イグアナの娘』を思うのは、他者がかくあるべしと思う自分に、いくらつとめてもおのれはかなうことのない懊悩が描かれているからなのだが。
そこに独自に読み解かれた日本神話が入ってくると、この開放感はどうだろう。
のたうつ懊悩の感覚が、おのれの金毘羅であることを悟ったとき。あらゆるものを飲み込み習合し、やがては尽きて消滅する存在のまえには、男でなければいけない強迫観念(厳密にはそれは母たちの代のものだ)など、どうでもよくなる。どちらでも大差はないのだ。
濃密で出たとこ勝負っぽいドライヴ感は人によって呪詛と感じるだろう。
そう、それもそれでよい。いや、いい気分だ。

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