2004.11.30
2004.11.29
「ネバーランド」作家の現実?
前記事、全米興行収入ランキング速報ネタのつづき。
「ネバーランド」ってなんだろう。13位から8位に上がってる。→公式サイト
exblog[見てから読む?映画の原作]には公開規模拡大効果とある。
そもそも拡大って入りがいいからするもんだよね、ふつう。
さて、まあ、ネバーランドとくればピーターパンだし、またですかと思ったのは否定しない。
正直に白状すると、ワタクシは『ピーターパン』が好きではないのだ。
はっきり覚えているのは大人になりかけか、なってから読んだ時の読後感なので。
といっても、作品の中から「よい子たち」に呼びかけたら死んだものが復活するような仕掛けがほんとうの子供たちにどう作用するかとか、そういうところまで考えられる大人ではなかったのだ。ネットでファンタジーとかの話をするようになってしばらくしても、ファンタジー好きなら当然好きでしょう的話し方をされると苛立つほどキライだった。大人げないですな自分。
映画「ネバーランド」は、その作品を書いた男の話であるらしい。書かれたとき作家はどうだったかを知って作品の見方が変わった経験(ああ宮沢賢治です(汗))はある。現実がどうのということでなく、読む者の脳内で新しく物語が付け加わってしまうがゆえの変化とは分かっちゃいますが、経験としては劇的だったので、公式サイト激重ですがしばらく読みふけってました。原作になった戯曲、アラン・ニー「TheManWhoWasPeter Pan」は日本語では読めないようだ。残念。
「ネバーランド」2004年 アメリカ・イギリス
監督:マーク・フォースター
出演:ジョニー・デップ、ダスティン・ホフマンほか
東宝洋画系で2005年1月15日より全国公開予定
「シークレット・ウィンドウ」でカメレオンっぷりを見せつけられたジョニデの作家役とは。これは行かずばなりますまい。しかしサイタマ公開館はシネプレックスわかばしかない。うむ東京に行くしか。
ちなみに劇場窓口でジョニデカレンダー付き前売り券なんか発売してたモヨウ(笑。読まれてますな。
全米興行収入ランキングとか
ニュースサイトをうろちょろしているとアメリカでの興行収入ランキングに行き当たる。
でもMovie@niftyランキングは水曜更新だからまだ先週の。で、現在の参照先はニュース速報です。
「ナショナル・トレジャー」連覇はおいといて。いやまあニコラス・ケイジ主演だけどインディ・ジョーンズでしょ。
ランキング3と4がクリスマスもの。4位の「ポーラー・エクスプレス」はともかく、「Christmas with the Kranks」って何だろうと思ったら、クリスマスをネタにしたアメリカ近所づきあい人情喜劇らしい(公式サイト英語のみなので推測)。
いや検索でexblog[見てから読む?映画の原作]にヒットしなければわからずじまいだったかも。まこと先達はあらまほしきものかな。ありがたや。
法廷もので日本でも人気のあるジョン・グリシャム『スキッピング・クリスマス』の映画化だけど、アマゾンのレビューで作家読みには評判いまいちでした。
思いつきで決めたことから思わぬ人付き合いのしがらみが、なんてハナシは、法廷ものの好きな人には受けなくてあたりまえか。しかしアカデミー出版のは相変わらず超訳なんだろうか。どんどん範囲を広げていたんですねえ。
「雲の向こう、約束の場所」
→公式サイト
2004年 日本
原作・脚本・監督:新海誠
キャラクターデザイン・総作画監督:田澤潮
美術:丹治匠・新海誠
音楽:天門
声の出演:吉岡秀隆、萩原聖人、南里侑香、石塚運昇、井上和彦、水野理紗
……青い。
アニメの空はどこまでも澄み渡ってあかるく青く、時折かげり、遠雷がひらめき響き、掃かれたような雲の上を、白い飛行機が飛ぶ。見上げるはずが、吸い込まれそうになる。
ハナシもまた、青かった。まあ「ほしのこえ」を知るひとならば先刻承知だろうが。
たぶん第二次大戦後、ちがう歴史をたどった戦後。南北問題は日本にも生々しくある。昔北海道と呼ばれた地域は北、津軽海峡を挟んで南は米日と分かたれており、離散家族問題もあるようだ。
いや、ようだ、となってしまうのは、世界が今ひとつ掴みにくい作品であるからで。
1時間半の長さなのに物語はほぼ三人の主人公たち――ヒロキ、タクヤ、サユリのやりとりに限られ、大人キャラはかれらのハナシを進めるのに世界と触れる必要がある部分だけに限られる。それ以外のよりどころは、家族すら、かれらにはないように見えるのだ。
眠りの夢ばかりではない、現実のかれら自身のよりどころが、あの遠い夏の日の約束しかないのだとしたら。果たされた後はどこに向かうのか。
不安ははっきり台詞にもあるのだが。後日の様子は明示されないまま物語はおわってしまう。
おたがい以上に意味のあるコトやモノ、ましてヒトなんてないフタリの話っていうと……映画「バトル・ロワイアル」くらいまで遡ってしまうのは、恋愛以外目立つイベントのないハナシはめったに読んだり観たりしないから、なのだが。いやまあ苦手なので。
もちろんバトロワは老監督(と敬意をこめて呼ばせていただく)が、かくあれかしと願う気持ちがこめられた映画であるわけで。やっと三十路の新海誠氏が、てらいなくこういう話を描けることに、正直、驚嘆した。いやはや。
たまには細かいツッコミは忘れて、美しい空が見たいと思う人にはおすすめ。
(渋谷シネマライズ 2004.11.28)
2004.11.28
『電車男』はサビ抜き同意。
中野独人
(四六判)/新潮社 2004年10月
1365円 ISBN:4-10-471501-8
bk1 Amazon 楽天ブックス
親しい友人からこれサビ抜きと思うけど、どうよと回ってきたもの。
いや、まあ、読み始めてすぐ、いいとこ取りなんだな、とは分かりました。コメント参照先飛びまくり。匿名の悪意もムキダシになる場所とわかってて、そういうコメントは読み流す、ってのと、最初から知らないんじゃ大違いだった。
ええとよくわからない人はgoogleとかで「電車男」「検証」で検索すると事情が見えてきますが自己責任でね(汗。
虚実さだかならぬネット世界のハナシですが。たとえこれが嘘でも、うまくいってほしいと思う時はある。良心とか善意とか、大仰なものでなく、自分もそのほうが気持ちいいっていうか。
現実の利害とか、リアルの容貌・体つき・性格を離れて、信じたい、うまくいってほしいと望み、それに寄与しようと思う気持ちが、いいひととして振る舞わせてしまうこと、それはネットコミュニケーションでは確かにあることで。そのときは、ほんとうのキモチなんだよ、とは言っておきたい気分にかられる読後感でした。うん、100%じゃないにしてもね。
ただまあ、いいとこ取りしてアテて儲けようって根性はいただけない。まとめた人にそういう意図はないかもしれないのに、約1カ月で40万部突破とか聞くとそういうふうに見えちゃう自分の根性を嘆くべきなのか(嘆息。
『トールキン指輪物語伝説 指輪をめぐる神話ファンタジー』
デイヴィッド・デイ/塩崎 麻彩子訳
(A5判)/原書房 1996年6月
2854円 ISBN:4-562-02792-4
bk1 Amazon 楽天ブックス
指輪物語に出てくる指輪のモチーフを求めて神話伝説を果てしなく掘り下げるという、そういうこと好きな人にはたまらない一冊。アラン・リーの美麗イラスト多数で、見ても楽しいです。
著者はトールキン研究家で、まあ『指輪物語事典』とか、ファンには今更紹介するまでもないかな。『ホビット一族のひみつ』も出ましたね。
訳文ひっかかりなく読めます。訳者あとがきによればトールキンファンだそうで。
内容忘れかけてたので風呂に持ち込んだらフヤけました。前と同じなのに何がいけなかったんだろう<とりあえずカラーページもあるハードカバーの持ち込みはやめとけ自分。
とりあえず重しをかけてしばらく放置。なおりますように。
11/20までの新刊下見帖を
更新しました(汗。だいぶヨレてます。ていうか遅れすぎ→新刊下見帖11/15~20
↓母数が多くてメゲそうですがチェック数も多いぞ。できるんか自分。これでも幻想文学系以外の読み物は除いたんですよ。
2004.11.27
「アンダーワールド」
2003年アメリカ
→公式サイト
監督:レン・ワイズマン
主演:ケイト・ベッキンセール
はっと気が付いたら終わってたので、DVDで鑑賞。発売元はハピネット・ピクチャーズ。
サービスデーのレンタル半額だったので、基準は大甘です念のため。
ちなみに来年1月末には「アンダーワールド DTSエクステンデッド・エディション」が出るそうですヨ。
いやお話は吸血鬼とライカンスロープつまり獣人族、不死の種族が数百年にわたり闘争を続けてるんだけど。場所はどこなのかよくわかりませんが、地下鉄あるのに蒸気機関車もやってくる、この世界ではないどこか、かな。
いや主役のケイト・ベッキンセールはいいね。タイトだけどストイックなコスチュームを身に纏い、アクションシーンをこなしつつ、クールだけど脆そうで、かたくなで。ヒロインとしてポイント高し。
狼男のボスがルシアンと呼ばれるたびにティヌヴィエルを思い出すのはまあそういうヤマイなので違和感はしかたないとして(笑、むしろ貧相な小男なのは、ムキムキマッチョな狼男連中を従える視覚効果とは別に、ストーリーの上で納得できるものでした。
いやこの対立する種族なのに恋に墜ちる二組が、別に吸血鬼や獣人じゃなくてもいいじゃん的抗争話を盛り上げてあまりある感じで、まあまあでした。
特殊メイクのスーツ着用のアクションシーン(つまり指輪映画のウルク・ハイみたいな)はなかなか迫力あり。変身シーンはしかたなくCGだけど、アップの表情なんかはアニマトロニクスだそうで<機械式で表情筋と同じ動きを出すようリモコン操作するやつ。
ただまあ、アクションシーンの配分はいまひとつだったかな。DVDなのでサクッと駒落とし早送りしてしまいました(汗。
ちなみに造形的にもいいなあと思ったのはミイラから徐々に蘇る吸血鬼の大長老。いにしえの暴君て感じで、みんな銃撃ちまくってるのに剣だもんなあ。イカす。
ヒロインの相手役は……まあ普通の人ってことだし、あんなもんでしょう。一目惚れの冒頭のシーンはなんというか、あんな美女に見つめられたら迷っちゃうキモチは分かる的な(笑。
いや吸血鬼とかライカンスロープに関する自分の認識棚上げしないと見れない映画でしたが。拳銃の形態で機関銃ばりに連射して、はたして当たるのかよとか思ってしまいますが、撃ってるの吸血鬼だしな(汗。
出だしの飛び降りとか、世界のあの雰囲気はいいなあ。割と好きです。
いやラストが続編……というか、むしろテレビシリーズ作る気ありありで笑ってしまいましたが。
これこそ映画館で1000円で見とくべきだったかも(笑。
2004.11.26
「ハウルの動く城」
朝日新聞の映画評はマイナス評が多い気がする。いやワタクシの見ようとする映画は評価されないってだけの話かもしれないけど。マトレボは実際……って、そういう話じゃなくて。
水曜の朝刊で評を見たので早々に『ハウルの動く城』を見に行ってみたわけだ。評者は嶽本野ばら氏。ラブストーリーとしてすばらしく、ハウルは少女の理想の男性像で(笑。いやこれは人それぞれだよね)、制作者は象徴を廃した、そして、泣ける、と書かれていた。宣伝方針として、詳しい情報を出していないこの映画が、そんな作品になっているのかと興味を持ったのだ。
なんていうのか、微妙な話だった。
映画が終わり、劇場内が明るくなって、客は通路を歩きながら、ぽつりぽつりと喋りだす。その喋りだし加減が、なんとも微妙だったのだ。『もののけ姫』みたいに。
いやいつもの少女が救っちゃう話で、ヒロインと魔法使いはめでたしめでたしな感じで終わるんだけど、そのほかについては、はっきりした結論は出ないままなのだ。帰り道、いろいろと考えたり、話しあったりしている時点で、宮崎駿氏の術中にはまっているのかな、という気はする。
嶽本氏の書くとおり、ラブストーリーとして見るなら、ふたりはできあがり完結していて、微妙のなんのと疑いをはさむべくもないのだ。世界を描く技量は実に安定していて(なにしろジブリですから)、ほかのなにもかもを忘れてしまうというソフィーの台詞が素直に納得できるほどに美しい。そのひたむきさが報われるカタルシスもある。
ただ、この映画のどこで泣けるのかは、とうとう謎のまま終わってしまった。
劇場でも泣いてる人いなかったし。
客寄せのコピーとして「泣ける」は今や強力だから、感動する、心を動かされる話だ、という表現として使うのは有りかなあ。ひどく心を動かされるからこそ、その理由を知りたいとも思うのだし。
『金毘羅』
笙野頼子
(四六判)/集英社 2004年10月
2100円 ISBN:4087747204
bk1 Amazon 楽天ブックス
いや、まあ好きな作家の新刊というよりほかに動機はないのだ。
読みながら『イグアナの娘』を思うのは、他者がかくあるべしと思う自分に、いくらつとめてもおのれはかなうことのない懊悩が描かれているからなのだが。
そこに独自に読み解かれた日本神話が入ってくると、この開放感はどうだろう。
のたうつ懊悩の感覚が、おのれの金毘羅であることを悟ったとき。あらゆるものを飲み込み習合し、やがては尽きて消滅する存在のまえには、男でなければいけない強迫観念(厳密にはそれは母たちの代のものだ)など、どうでもよくなる。どちらでも大差はないのだ。
濃密で出たとこ勝負っぽいドライヴ感は人によって呪詛と感じるだろう。
そう、それもそれでよい。いや、いい気分だ。
2004.11.24
『僕たちの好きな『指輪物語』』文庫版
別冊宝島編集部編
宝島社文庫/宝島社 2004年11月
660円 ISBN:4-7966-4387-7
bk1 Amazon 楽天ブックス
別冊宝島966(雑誌ただし書籍扱い)の文庫化です。評論社協力で固有名詞統一、図版も援用、原作おさらいにうってつけな感じの内容はほぼそのままかと。
と言っても組みは相当に変わってますね。本文フォントはむしろ大きくなってるかも。
映画の登場人物を覚えてるとダレが誰だか分かるけど、細かい特徴は原作準拠、ボロミアもファラミアも黒髪なイラストも、映画『王の帰還』日本公開前の刊行当時そのまま。デネソールの最後の装束などはぜんぜん違います。いや演出じたい違うしね。
地図が詳しく見たい人には『中つ国歴史地図』をオススメしときます。雑誌版の地図もそう大きくないので、それだけのために探すのはやめといたほうが吉。
しかしまあダイジェスト読んでると、そこはこうだろう!と原作を当たりたくなることよ。
いやまあ、ファンのサガとというものでございます。
2004.11.22
2004.11.21
2004.11.20
みたび風呂読書(笑)。フェリシモのブックスタンド
つまりまあ、書見台探しの続きです。
友人点子さんに「こんなのがあるわよ」と勧められ、思わず予備を分けてもらったもの。
フェリシモの、ええと「半身浴を快適にするブックスタンドの会」、税込1700円。
上部構造は先日新聞で見たマーナのブックスタンドとほぼおなじだが、土台部分は風呂蓋をはさむ角度に固定になっている。ふむ安定するよう蓋の厚みに合わせてタオルを挟むのがコツかな。
しかしウチの風呂蓋は巻きおさめるタイプなので、いつものように半分くらいで折り返し、もういちど折り返した端にセットしてみた。いや四六版で本文440ページ以上の『ブルータワー』だったんで、十年選手の蓋の強度に不安が(汗。
結果? もちろん大丈夫でしたよ。本の開いた側で重量を支えることになるので、重い本厚い本はページをめくりにくくなりますが。濡れ手をきちんと拭いてページをめくれば本がヨレることはまずありません。湯気に直接はあたらないし、ふと気をぬいたはずみにお湯の中に墜落ってことはほとんどなくなります(笑。
半身浴で使うのに、とりあえずひとつ欲しいかな、って人にはけっこういいんじゃないだろうか。
キッチンで料理本とか、手芸のテキストなんかを立てておくには工夫が必要かもですな。背表紙の支えが文庫や新書向きなので。
2004.11.19
『ロード・オブ・ザ・リング 『指輪物語』完全読本』
記事タイトルにしたのは映画公開を機に角川書店から出た改訂新版(2002.2)。
文庫もあります。
とら君こと、旧友はぐれ狼のブログでコメントつけまくっていて。リン・カーターの話から、旧版『トールキンの世界』(品切れ?)とどれだけ違うか気になりだして本の山を掘り返す。案の定みつからないのだが、ふと気が付くとデスクの奥のトールキン専用棚に立っている<アフォ。
いや気を取り直して。
『指輪物語』を読むと、こう、どこかひっかかる部分があるのだ。指輪そのものであったりとか、『ホビットの冒険』に出てくるドワーフたちの名前とか、独力で気づいた人も多いだろう。
そう、北欧神話だ。解説本とか、時には「古エッダ」の翻訳そのものをかたわらに、名前探しに興じるのもなかなか楽しいのである。と、リン・カーターもこの本に書いている(笑。
ヒロイック・ファンタジー作家にして幻想文学好きで、アダルト・ファンタジー・シリーズ(バランタインのあれ)編纂まで手がけたくらいの人ただしプロの物書きが、現実の神話伝説に添って好きなだけトールキン世界を掘り下げた本、と書いてみると、すごい楽しそうだが。じっさい楽しいっす(笑。いや、トールキン作品好き、神話伝説ほじくり好きならね。
今なら類書もあるのですが、コストパフォーマンスならこの本の文庫版でしょう。
新旧ざっと見比べてみましたが、大きい違いは旧版の原著者序が新版では訳者の序文に差し替えられてるくらいでしょうか。原書刊行は1969年ですから、しかたない部分はあるかと。
ほかに、新版序文によれば、構成を入れ替えたとあります。
巻末リストもアップデートあり。たとえば妖精文庫(版元廃業)収録作品を、ちゃんと追尾してあります。
うむ『シルマリルの物語』入ってるけど『ブリジンガメンの魔法の宝石』と差し替え?かな。
エルフ語名前の音訳など、それエルフ語の発音違いますよ的部分はあるんですが。そのへんは細かく言い出すときりがないので、このへんで(笑。
2004.11.17
もっとも幸せなニュース、募集中。
幸せな気分になったニュースって、あったっけ?
自分ですぐ思い出すのというと、新潟県中越地震の余震のニュースで。商店街で、片付けに入ってたお年寄りが二階で動けなくなって、消防団の人かな?助け出されてたんだけど。手に持ってたスーパーのフクロにね、入ってたのが猫だったんだわ。ブチ猫で、結構大きくて。落ち着いた顔でおとなしくしてた。ああ、いいなと思ったんだ。でもこれテレビだった(汗。
募集は新聞で読んだもの限定でした。日本新聞協会主催なのね。Webからも応募できます。
詳しくは[Happy News 2004]公式サイトに。
『ファンタジーの歴史』特典追加。
きのうの日記「訳者特製メルマガ?」に書いておいた『ファンタジーの歴史』予約どうしたっけとオンライン書店を見に行ったら、bk1とBooks@niftyではメルマガ1通は予約特典として書かれていたのを発見。アマゾンは2~6週以内発送と既刊扱いでした。楽天は予約受けてないですな。
Books@nifty bk1 Amazon
なお東京創元社の直販はブックサービス経由で、代引きのみ。手数料210円かかります。予約申し込み多数の場合は12月初旬発送予定が更に遅れるかもしれません、ということです。
さて、どうします? いやワタクシはもう特典に釣られましたとも。ええ、もう、すぱーんと一本釣りで。
『まぶた』に宿る黒。
小川洋子
新潮文庫/新潮社 2004.11
420円 ISBN:4-10-121522-7
bk1 Amazon 楽天ブックス
本屋大賞、鏡花賞効果か、文庫があちこちで出てます。bk1はてなだったか、美しい話を読んだ気になるんだけど黒い、というのが気になって手に取ったら戻せなくなり(汗。(20041108)
よせばいいのにキッチンで読み始めてしまい、やめときゃよかったと思うのは読み進んでしまった後。いや後でするから後悔っていうんだよ、とかセルフつっこみしながら読了。
たしかに黒いというか、ふと気が付いてのぞき込むと底の見えない真っ暗な穴があるような、そんな短編ばかりだった。それは日常的というか、ささいで身近とも思える錯誤の重なりの影にあって。多くオンナの愚かしさや、ずるさから成り立っているのだが。その容赦のないことといったら、同性ならではかもしれない。
もっとも、穴の側で立ち止まってのぞき込みさえしなければ、描かれる世界は異様さを孕みつつも、あかるく広がって終わるのだ。
ああそうかと、今にして『ブラフマンの埋葬』を思い出す。いやうろ覚えですけども。
犬のようになつくブラフマンの正体不明っぷり、また主人公がそれをそのままに置くありかたが、はかり知れない孤絶感を覗かせるのだ。黒いといえば、黒いかもしれない。
いや、それも有りかと思わせる作品世界の明澄な空虚が、ほんとうはおそろしいのかもしれないが。
2004.11.16
訳者特製メルマガ?
リン・カーター『ファンタジーの歴史』の発売が11月27日、その前に東京創元社からメールマガジンが来た。時々やってる直販限定のサイン本じゃなくて、サイトの直販で予約すればオリジナルのおまけが付くという。翻訳家にしてアンソロジスト、中村融さんによるマニアックな内容なのだが、媒体はメールマガジンである。
これがたいへん胸おどっちゃうリストとかあるのだが、詳しくは東京創元社公式サイトのお知らせページで。発送は12月上旬だそうです。
……たのしみだ。ていうかリスト見ると、たぶんまた本が増えちゃうんですね。
それ以前にオンラインショップに予約してないか確かめなくちゃ。
2004.11.14
買った本を読め>自分、な感じ。
うむ↓3件で今月の予算使い切った感じで。
ココログメニューの記事一覧を見てると、読破率五割割ってます(汗。
というわけで今月後半は読む方に専念……しないだろうな。でも読まなくては。
整理して行き先を決めないと、猫が巣を作れるような空き箱すらなくなりませんよ。
下見帖とか。
遅れまくりの新刊下見帖、11月10日ぶんまで作成、やっと追いつきました。
今期は比較的点数少ないので、見落としありそうな予感。
優先チェックは↓。10日ぶんなので、既に購入済みの本は除きました。ていうか買った本を読め自分。
2004.11.13
久々に風呂読書。
いやハードSFは茹だりながらは進まない<そうです『万物理論』をですね、少しずつ読んでるわけですが。それはまあおいといて。
朝日新聞の土曜別冊? be on Saturday の entertainmentで見たステンレスワイヤー製の書見台がいい感じ。置いても挟んでも使えるそうだし、なにより1365円とお値段が魅力的(笑。
残念ながらネットで買えるサイトは見つからなかったのだけど。表記違うけど問い合わせ電話番号同じなお店の公式サイト[Welcome to MARNA]のバスグッズのところに載ってるのと同じと思われます。
おお、あのロフトで見た落としぶたの製造元かあ。<豚の顔なんですよ。
長い長いシリーズの話。
ごく個人的には、物語とくにファンタジーは終わりかたが肝心だと思っているので、話が終わらずどんどん繋がっていく超長編にはいささか苦手意識があるのだ。だって未完成のものを評価しろったって、それはムリというもんですし。
しかしファンタジーというからには読んでおかねば気が済まないところがあるのである。
で、溜まっていた〈時の車輪〉に手を着けたと友人のとら君が言うので、どこまで読んだっけと拙宅の書庫を漁ってみる。
うぬ、26巻までしかない。あと飛んで32巻。いや飛んでるのはしばらく買いそびれてて、リサイクル書店で目に付いたの全部買ったからなんですよ(汗。
Books@niftyで〈時の車輪〉を検索すると既刊58冊という。今んとこ取り寄せできないのが3冊、最新刊は先月出た別巻2冊。
いやはや、半分も読んでませんでした。読みだせばすぐなんだけど、二十何冊かを新刊で一気買いするのは流石にキビシイので、図書館に問い合わせてみるとしますかね(汗。市内の図書館で1館だけ、ハヤカワ文庫買ってるところがあるんで。
書を読むや遊ぶや猫の秋ひと日
久々にプロフィール写真を更新。足裏写ってないけど、うちの猫はどこまでもブチがあるので、肉球もブチです。
ココログ作る前の写真のストックはコチラに。
たしかバルセロナオリンピックの年生まれ、もう大人ってか年寄りなので。遊ぶといえば、飼い主をおのれのシッポでジャラそうとするしまつ。仔猫扱いかい(笑。
しかし今日はなんだかひさびさに遊ぶ気満々で、玩具でジャラしてみたのですが、しながら写真はムリでした。いつもじっとしてるところしか撮らないんで、上達してないんだな自分。
じゃれ疲れたところを1枚、マイフォトに登録。たぶん左サイドバーのいちばん下にリンクできてる、はず。
タイトルは『我輩は猫である』から。苦沙弥先生の友人から来た猫絵の年賀状にしたためられていたものかと。
ほんとは「初春」で「踊るや」でした。
2004.11.12
『ロード・オブ・ザ・リング』ゲーム予約メモ。
ツタヤのケータイメルマガを見て驚く。「ロード・オブ・ザ・リング 中つ国第三紀」の予約が始まってるじゃ、あ~りませんか。
しかし1割しか引かないし、予約特典未定ってのは何かな一体。
映画公式サイトのメルマガっていうかニュース「フェローシップ通信」(申し込みはコチラ)によると発売日は。ついでに自分のメモとして予約先とか。
「ロード・オブ・ザ・リング 中つ国第三紀」公式サイト 12/22発売予定
予約?→Amazon(いずれも15%オフ、送料無料)
PS2(税込6069円)
GC(税込6069円)
GBA(税込4284円)
「ロード・オブ・ザ・リング バトル・フォー・ミドルアース」 公式サイト 12/16発売予定
予約?→Amazon(20%オフ、送料無料)
PCのみ(税込6700円)
RPGの「中つ国第三紀」は既にPS2版買う気満々ですが。「バトル・フォー・ミドルアース」はリアルタイムストラテジーなんですよなぁ。……できるかなあ。いや、できなくてもグッズとして!<もーちょっと考えなさい自分。
2004.11.11
串本のイルカ。
人なつっこくて可愛いなあと思っていたら、飼われて格別に人馴れしてたイルカだったのね、と。ニュースで見て気になっていた。
無事保護されたのを今知りました。→news@nifty
よかったよかった。
メルマガチェック。
きのう出かけていたので、10日付メルマガを今日チェックしてたり。
東京創元社から、サイト更新告知も兼ねたお知らせ。
なになに、来月から異世界ファンタジーの新シリーズが始まるとな。
→『騎士(シヴァルリ)の息子』
剣と魔法の異世界を支配するのは遠視者(ファーシーア)の一族で、主人公は王子の息子ながら、出自と母の死ゆえに顧みられず育った庶子。ふむふむ、国難にあって表舞台に出ることになるんだな。スケールの大きいっぽい話である。
予告によれは年1ペースのようなのは、そのたび読み返さないと思い出し力低下で、ちょとキビシイかもだが。
今月の注目は自分的にはお待ちしております『ファンタジーの歴史』に『呪文の織り手』。その次に『容疑者たちの事情』かと。
つづいて新潮社から新潮新書メルマガ。
新刊速報だけでなく、編集長エッセイ、編集部のエッセイで構成されていて、毎回発見があるというか、勉強になる。
いや林不忘、牧逸馬、谷譲次は知ってても、同一人物とは存じませんでした。がっくり<恥。
オンデマンドで再刊されている牧逸馬の実録ものは読んでましたが、紹介されてる谷譲次名義の「めりけんじゃっぷ」ものは未読。みすず書房だが〈大人の本棚〉のセレクション版『テキサス無宿/キキ』なら、今でも買えるなあ。うむ、面白そうだ。
こちらはメルマなのでバックナンバー参照できるのが便利。
ただ、申し込むと熱心な宣伝メールが来ちゃって、いちいち解除しないといけないのが面倒かなあ。
いや、それが役に立つこともあるし、そういうときはいいなと思うけど。
お待ちしてました紅玉りんご。
楽天の有機野菜のショップから配達待ちだった紅玉りんごが来る。
ううむ……ちっさい。読みかけ本『ハートレス・シティ』に載っけるとこんな感じ。でもウマい。紅玉だから酸っぱいんだけど、糖度も13度でバランスよし。皮の鮮やかなルビーレッドと、独特の香りがたまりません。とうぶん、りんごには困らない幸せ(笑。
『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』
〈プラチナ・ファンタジイ〉
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア/浅倉 久志訳
ハヤカワ文庫FT/早川書房 2004年11月
588円 ISBN:4150203733
bk1 Amazon 楽天ブックス
帰途、中距離列車で座れないまま『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』を読み通す。
キンタナ・ローにはマヤ族のひとびとが住んでいる。ユカタン半島の東岸、本土からは密林の果てにある岸辺に、波は繰り返し打ち寄せて、あらゆるものを持ち来たり、その深みに運び去る。もっとも、波のひとうちはそれぞれ異なるはずで、この連作集にはキンタナ・ローを舞台とした3本の短編が収録されている。
しかし、一読して思うのは、繰り返しの無限だ。太古から続く悠久に、二百年なにがしの歴史しかない国から来た客は何を思うのか。おおかたの客は心地よい暮らしをそのまま旅先にも持ち込んで、つかの間の楽しみを追い求める観光客なわけだが。それでは見えないもの(あるいは、見ようとしないもの)に魅せられる人もある。たとえば「リリオスの浜に流れついたもの」の青年は、救おうとした美女でも報酬としての富でもない、心から望むものに触れてしまう。それを望んでいたことすら知らぬままに。
著者は波の彼方に悠久と超越を目にしたのか、あるいは願っただけなのか、まあ、それはどちらでもいいことだと、読んだ今では思うのだ。
その名に惹かれる人は、既に虚心にこの本を読むことはできないはずで。ワタクシですら、当事者として体験するのでなく、語り聞かされるカタチをとるのにも、いや排除とか否定というと強すぎるのだが、帰属しない地にある感覚に、仮託されていないかもしれない何かを探してしまうのだが。
そんなことは抜きで、ただ書かれてある異邦の物語として、まずは読むのがよろしいと思われる。(20041111)
2004.11.10
買い本控えとか。
早朝に注文を入れると、その日のうちに届くのはまあ新刊ばかりだからですが、便利すぎてちょと怖いかも(笑。
買った本のうちライトノベルは3冊ほど楽しく読み終わりましたが、目玉は『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』。ちょいと手こずるかもだなあ。
今月はそろそろ『王狼たちの戦旗 上 下』が出るはずだし。待望ひさしい〈氷と炎の歌〉の第二部なのだがハードカバーだ。もうこれだけで今月の財布は極寒の予感。
『三千世界の鴉を殺し 9』
津守 時生/麻々原絵里依
ウィングス文庫/新書館 2004年11月
609円 ISBN:4403540848
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いやなんか予告と違いませんかと思いつつ(小説ウィングスは読んでないので前巻のあとがきのことです)、バカ笑いしつつ読了。読みつつオボロにしか前巻までの内容思い出せない自分はいかがなものか。
ボーイズラブのツボを押さえつつ、最後にはハズしてオチがつく展開は楽しいのだが、そのテのツボに耐えられない人にはもちろん、ツボを押される人もハズしっぷりに耐えられないかもしれず、かなり勧める人を選ぶシリーズ。
しかしまあキャラの立ちっぷり、主人公の部下タラしっぷりはたまりませんね。もそっと、こう、話が進んでくれれば愛読者としては言うこと無し。(20041109)
『プチ断食ダイエット』
いしはら ゆうみ
B6判/サンマーク出版 2002年12月
1260円 ISBN:4-7631-3022-6
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実は何人かを経た貰い物。
著者は長年、東洋医学にもとづく断食療法を実践してる治療者です。
このダイエット法のキモは、おろしショウガ入り紅茶です。蜂蜜、黒砂糖なら入れてヨシ。これで低血糖をしのぎ身体を温めるわけね。
「朝食を食べても調子が良くならないときはムリするな」(つまりこれがプチ断食なわけね)「昼は軽く、夜は好きなものをゆっくりと。量は食べ過ぎないこと」「むくむときは水の飲み過ぎを疑え」「低体温は温める」「漢方ではこれこれの食品が暖まる」「二日以上の断食は専門家の指導を受けなきゃダメ」という、しごくまともなことをわかりやすく書いています。東洋医学で理由を挙げて、ちゃんと効果があったと順を追って話を進めるところに説得力があるんですな。きっと。
いや、まあ、漢方医に通ってる友人の話を聞いてても思うことなんですが。身体の不調とか、とにかく自分で見定めようとするところから始まる治療もあるんだなあ、と。
とりあえず、けっこうイケますね、ホットジンジャーティー蜂蜜入りは。
2004.11.09
『書物の敵』それは……紙魚?いやいや
ウィリアム・ブレイズ/高宮利行監修/高橋勇訳
(A5判)/八坂書房 2004年10月
2400円 ISBN:4-89694-849-1
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書物の最大の敵は火、そして水、さらに人間である……(汗。
愛書家にして印刷人の著者が自らの好むところと、やるかたない憤懣を語った本がなぜベストセラーか不思議ではあったのだが。
つまりまあ、ヴィクトリア朝英国では識字率は上がり貸本屋もチャッププックもあったけど、ひとかどの蔵書を持つほどの愛書家は中流以上の知識人男性に限られていた時代であり、そういう人たちには共通する悩みであったから、ということだろう。自然科学系の観察や分類方法が徹底していない時代でもあるのは言うまでもない。
そして、本がまだ修理されては使われる耐久消費財だった時代の話ではあり、消耗品になりつつある時代の人間としては羨望と安堵を半ばとする複雑な心境にとらわれるのであった。
2004.11.08
いとしの猫たち。『ねこの肉球』
『ねこの肉球 完全版』
荒川千尋/板東寛司写真
文春文庫PLUS/文芸春秋 2003年9月
670円 ISBN:4-16-766058-X
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友人とこで『猫川柳』の話題を出したら猫バカっぷり炸裂してしまい。いや、まあ猫好きな人多かったので苦笑くらいで済んだと思いたい(汗。
そういえば猫バカ本というとこれでしょう、と、話題になりました、猫のあしうら本。肉球はつまり指先のひらの部分なのだが、これがまあ人体にはない構造だし。
うちとけた猫のあしうらにさわってみると、この感触に魅せられる人も多いのである。
いやもう、ページをめくってもめくっても猫の足の裏が写っているという、かなり症状の進んだ猫好き以外には用のない本と思われるが。ところどころ持ち主猫の写真もあり、これがまたなかなかいいんだな。つい自分ちの猫の足裏を触りに行きたくなります。ちなみに仔猫の足裏はスベスベ。うちの猫は……荒れてますね、ちょっと。
意外と広いジュンク堂新宿店。
日曜、先月末開店のジュンク堂新宿店に行ってきました。
三越新宿店の7~8階フロア全部という話は聞いてたんですが、広いです、さすがに。エスカレーター降りたところで、ずらりと林立する書棚に「図書館みたい」と驚きを漏らすお客もありで。
柱も棚にとりこんで、ただ書棚だけがむこうの壁まで連なっていると見える構成なんで、ずらり感が非常に強調されます(笑。壮観。
書棚高いのは90万冊確保にはしかたないことかと思いつつ、建物自体の天井はそれほど高くないので、梯子をかけるほどではなし。気になるのは窓のない閉塞感くらいですか。
『フェアリー・フェラーの神技』(20041107)
マーク・チャドボーン/木村 京子訳
(四六判)/バベル・プレス 2004.11
1470円 ISBN:4-89449-031-5
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昨年の英国幻想文学大賞、短編部門受賞作。タイトルから連想されるとおり、リチャード・ダッドの鬼気迫る細密妖精画"The Fairy Feller's Masterstoke"(テート・ギャラリー所蔵)をモチーフにしています。
いや、まあ、有名な絵だけに、ほかにもクイーンのアルバムとか、"A Book of Fairies"のカバーアートに使われてたりとか、いろいろ思い出すことはあるんですが。まずは読まなくては。
2004.11.07
下見帖更新。~1031
五日遅れがとりもどせないけど下見帖更新。買った本は除いてあります。
ええと月末6日間なのでスニーカー、ビーンズ、コバルトとライトノベル文庫がドッと、ボーイズラブもドドッと出ましたが、それはブツを見ないと、ということで。それ以外の↓はこれからチェックに行くぞう。
2004.11.06
『指輪物語「中つ国」のうた』
前のほうにいきなり「人生のバイブル」とか書いちゃってるのは、トラックバック野郎のお題「泣き笑い文庫」のネタだったのです(汗。いやワタクシ的に特に不思議のないネタだったので、つい但し書きを忘れました。
さて、まあ、ここしばらくの関連本ブームに精神的にはわが世の春、しかし懐具合は厳寒だったワタクシですが。
最近出た本から、以前から原作が好きだとおっしゃるかたに勧めるならなんだろうと考える機会がありまして。
まあ、やっぱりこの詩画集だろうと思ったわけで。じつに美しい本です、はい。座右の書て感じで。
『指輪物語「中つ国」のうた』
J.R.R.トールキン/瀬田 貞二;田中 明子訳
(A5判)/評論社 2004年2月
1470円 ISBN:4-566-02381-8
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トールキン生誕百年記念のイラストレイテッド版(日本版は新訳愛蔵版)のためにアラン・リーが書きおろしたカラー挿画が、『指輪物語』いたるところで吟唱される詩と唄のあいだに配置されています。
あの長い物語を全部読み返さなくても、こんな場面があったと思い出し、しばし原作世界にひたれる優れもの。
いや詩だけじゃどこで誰やらわからんよという悲鳴を予期してか、日本語版には評論社編集部の手になる状況説明が添えられているんですけども、この文章、仕事というばかりじゃない思い入れが伝わってくる気がします。
原書はたしかかなり前に出ていたのですが、映画を機会に再版、今はまた品切れのモヨウ。
2004.11.05
『エンベディング』(20041104)
イアン・ワトスン/山形 浩生訳
未来の文学(四六判)/国書刊行会 2004年10月
2520円 ISBN:4-336-04567-4
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ワトスンといえば自分的には『マーシャン・インカ』か『アンティシペイション』なんだが、またどっちも品切れ。なにしろサンリオである。しかし文春文庫『死のドライブ』が検索でヒットするとは、入ってたとは知りませんで(汗。
ううむまた楽天ブックスだけ「イアン・ウォトソン」になってるな(汗。
2004.11.04
2004.11.03
『スカイ・クロラ』『ナ・バ・テア』の子供たち
ひさびさの森博嗣作品。そう、これは子供の話だ。
戦闘機は完璧に整備され、雲の上、天候のない、空だけの世界を飛ぶ。反射運動になるまで知り尽くした操作に楽々と答え、敵機を撃ち落とす。「僕」は撃った弾の行方を見ない。
着陸すればすぐまた飛びたいと思う主人公はいかにも子供じみていて、その自覚を幾度も繰り返し、また自分でも自認する。読者と思われる人々の前の時代の人たちが言うような大人ではとうていありえない、モラトリアムな自己を重ねるにはたやすいだろうと思われるのだが。
作中のかれらはちがう。そうあるように人の手を加えられた存在なのだ。
かれらの姿は見えにくく、世界もまた見えにくい。そのようなキャラクターであり、そのような削ぎ落とした書かれかたであるのだが、削ぎおとしの話は読者によっては、内面から引き起こされる何かがないままに終わってしまうことがあるのは致し方のないことである。
この空のどこかに、何にも満たされず、すがる先を求めても見いだせない、やるせない詩情を覚えるひともいるのだろう。
今度の休み、ひと気のない海で、ひとり煙草をふかすのもいいかもしんない、と思える人にはヒットするかも。
あと、まあ、なにぶんメフィスト賞デビューの作家のひとりなので、そういうの今まで未経験の人はいきなりこれ読まないほうがいいと思う。
いやはや、晩秋の海風に吹かれるにも、わたしは年を取りすぎてしまったなあ、と思うのであった。
『スカイ・クロラ』
森博嗣
中公文庫/中央公論新社 2004年10月
620円 ISBN:4-12-204428-6
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『ナ・バ・テア None But Air』
森博嗣
C★NOVELS BIBLIOTHEQUE/中央公論新社 2004年10月
1050円 ISBN:4-12-500871-X
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