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2004.09.14

『ミステリアス・アイランド 神秘の島』

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新刊で出ていた偕成社文庫版『神秘の島』(三分冊)に今何故な感じを受け、作品自体を検索してみる。集英社文庫のヴェルヌコレクションで出ていたというので、本棚部屋を探索してみると……ありました。『ミステリアス・アイランド 神秘の島』(2分冊。版元品切れ重版未定。昔で言う絶版状態。書影は蔵書)。
ちなみに『海底二万里』の続きだというのはこのとき初めて知りました。浦安のディズニー・シーに「ミステリアス・アイランド」というアトラクションがあるのというのも(笑。

で、中味はというと。
ロビンソン・クルーソーもの、というか、孤島漂着ものと言うべきか。
南北戦争のただなか、南軍の捕虜になっていた主人公は、悪天候で足止めされていた気球を奪って脱走するんだけど、嵐は去っていなかった、という滑り出しがなかなかスリリング。
しかしてヒーローは技師なのだ。かれに心酔する冒険的新聞記者、船乗り、博物少年に、解放してくれた技師を慕って戻ってきた元奴隷という、腕に覚え有りの面々が、いろんなことをどんどんと実現していく話の運びはテンポよく面白く、また宗教じゃなく技師の実行力と知識、理性に基づく誠実さが人を動かすあたりが心地よい。
終盤、ロビンソンものの定石のようにほかの人間たちが登場するのだが。そこには絶望も、諦観もありでやや苦くもある。しかし本を閉じる時には、どこか報われた気持ちが後味として残るのだ。
古い話だから、と片付けてしまうには忘れがたい物語ではありますな。

版はあれこれあるし、ということで、@niftyBOOKSで『神秘の島』を検索してみると。
集英社文庫版の親本は1960年代末に出ていたヴェルヌ全集の『神秘の島』(2分冊)なのだが、ワタクシの周辺だとさすがに年代的に間に合わなかったっていうか。
福音館古典童話シリーズ、というと、ピンと来る人が多いのではあるまいか。こちらが現役なのは嬉しいかぎり。
自分の場合、このシリーズは他作品しか記憶になく、それがまた『ニワトリ号一番のり』だったり『アーサー王と円卓の騎士』だったりと、忘れがたいものなのだが。大幅に脱線したので今日はここまで。

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