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2004.04.07

『ここは魔法少年育成センター(3)』

024252120000S.jpg『ここは魔法少年育成センター(3) とびます。』 900円
久美 沙織  EX novels/スクウェア・エニックス
bk1 Amazon 楽天ブックス

思うだけで凡人にはできないことが出来てしまう力をもった子どもが常に一定数生まれてしまう世界を考えてみよう。もちろん魔法力を持つということは、他者より優位に立つことだし、選ばれたものとしてウットリするのはありだと思う。その力でいろいろやって、至難事に解決をもってくる、スカッとするストーリーもね。
ただそこが、「すごいですね」と誉められたら、「わたしひとりの力ではありませんから」とか謙遜してあたりまえな日本社会だったらどうだろう。みんなと同じでない、出る杭は打たれる的社会規範「世間様」が厳しく当たってくるのはまず間違いないと思われる。そしてひとはみな、そこで突っ張りきれるヤツばかりとは言えないのだ。
『ここは魔法少年センター』シリーズでは、異端であることの不安、敷衍すると、突出して排除されることへの恐怖が、主人公の特殊能力を通して語られる。具体的に、まざまざと。いや楽しい学校生活もありなんだけど。久美さん独特のほとばしるような一人称も手伝って、読んでてなかなかコタエるっちゅうか、近来にない読み応えを感じるシリーズだったり。
ぶっちゃけ魔法学校もの、って言うと反射的にまたかよと思うファンタジー読みは多そうだが、とりあえずちょっと待てな感じで。なにしろ久美沙織作品だし、文庫よりやや上を対象にできるノベルズだし、選ばれてあることの恍惚につきまとうはずの不安をカッ飛ばしてしまった(と3巻までしか読んでないと思ってしまう)大当たりシリーズにはない深みがあるのである。ハマるの怖くもあるのだが。

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Tracked on 2005.01.24 at 06:11 PM

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